息子が少年野球のクラブチームに所属していたので、クラブチームの応援や練習のサポートなど、少年野球とかかわる機会がこれまで多くありました。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、息子が所属するクラブチームでも練習や試合ができない日々が長く続きました。
子供たちが自由に野球ができる環境は当たり前のものではないということを強く感じるきっかけとなりました。
もともと東海地方は気候も比較的安定しており、北陸や東北地方のように冬場は雪の影響でグランド練習ができないといったこともなく、基本的には一年中、グランドで練習ができる環境がありました。
しかし、昨今では連日の大雨等の天候不順により、グランドで練習できない日々が続くだけでなく、ゲリラ豪雨や突発的な雷雨でグランドでの練習が危険なときさえあります。
実際に屋内練習場を設立しようと考え、1年半ほど前から倉庫物件などを探し始めました。
しかし、実際には「十分な広さが確保できない」「十分な高さの天井がない」など、なかなか条件に合った場所を見つけることができませんでした。
時を同じくして、新型コロナウイルスの感染拡大により、可児工場での仕事が激減。可児工場の稼働率が大幅に低下しました。
当初、可児工場では美濃加茂工場とは異なる製造業務を行っていましたが、可児工場の稼働低下に伴い、美濃加茂工場と機能統合したほうが良いという経営判断から、可児工場の製造設備をすべて、美濃加茂工場に移しました。
製造拠点の統合後、可児工場は完全に場所を持て余す状態となりました。
今後、倉庫として活用するか、誰かに貸すか等を検討していたその時、気が付きました。
「可児工場なら十分な広さと十分な天井の高さがある!」
可児工場のその後の利用方法が決まりました。
そこからはあっという間でした。
猛スピードで施設の整備を進めていき、気付けばダイエイの新たな施設として、D-starが誕生していました。
メイン練習場ではバッティングマシーンを設置したバッティングレーンを2レーン、ピッチングマウンドを設置したピッチングレーンを1レーン備えています。
練習場にはビデオカメラを設置し、録画した自身のフォーム等をモニターで確認することが可能です。また、それだけではなく施設で練習した選手たちに映像データを提供することも考えています。
更にトレーニングルームでは筋力トレーニングよりもストレッチを重視したストレッチマシーンを多く取り揃えています。
中学生、高校生の成長期には過度な筋力トレーニングを行うことよりも、成長に合わせてきちんとした柔軟性や体の使い方を身に着けていくべきだと考えています。
練習前後に正しくかつ効果的なストレッチを行ってほしいと思い、設備を揃えました。
そして疲労回復を目的とした酸素カプセルを用意しています。こちらは子供2人程度であれば、足を延ばして過ごせる十分な広さがあります。
自主練習でもチーム練習でも幅広く活用してもらえる施設となっています。
今後も必要に応じて更に施設を充実させていきたいと考えています。
何度か野球少年たちがプロ野球選手と交流をする機会を目にしてきました。
毎回感じていることですが、プロ野球選手たちに会えた子供たちの表情はいつもとても輝いています。
プロ野球選手たちは子供たちに夢を与える力をもっていると思います。
将来、この施設で練習した中学生や高校生の中から「甲子園で活躍する選手」や「プロ野球で活躍する選手」をできるだけ多く輩出したい、「ダイエイからスター選手を輩出したい」そんな想いからこの施設を「D-star」と名付けました。
「D-star」から甲子園やプロ野球で活躍できる選手が誕生することは私の夢であり、目標そのものです。
そしてそんな風にこの施設出身の選手たちが大人になってから、またこの施設に遊びに来て、中学生や高校生と交流する。中学生や高校生がプロ野球選手のプレーやスキルを身近で見て、体感する、そして学ぶ。そんな環境となったら更に最高ですね。
実現させたいと思っています。
株式会社ダイエイ
代表取締役 美濃輪 武彦